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カスタネット職人のお話(英BBC放送2014年9月)

Reportaje de BBC World News sobre Castañuelas del Sur | Castanet News on BBC(2014年9月17日放送)

 

<要約>

先代から工房を引き継ぎ、52年のキャリアを誇るカスタネット職人(取材当時)、Juan Vela: ファン・ベラさんのお話。

 カスタネットを作るだけにとどまらず、カスタネット愛ゆえ、自身のコレクションでも150組を持ち、仕事が終わった後には教えることも。プロのカスタネットは手作りのものであるべきだと語る。ひとつひとつ個性があるため、ダンサーの求めに応じて納得がいくように調整され仕上げられる。

 プロのダンサー、ロシオ・アルカイデさん(クリスティーナ・オヨス舞踊団)も顧客のひとり。特にシギリージャを踊る時は、深みのある落ち着いた感じの音が好み。踊る時に手の動きを使って伝える表現を、何を感じているのかにより、力強かったりより滑らかだったり、カスタネットの音色を奏で分けて表現している。

 制作時間は1組およそ2時間、様々な素材が用いられる。紹介されている茶のザクロの木材はとても調和がとれ、美しく良い音質。茶か黒色が一般的とされてきたが、時代の流れによって変化するフラメンコに合わせている。カスタネットを用いるダンサーは90%位女性であるが、52年仕事をしてきて過去に比べて使用する人は減ってきている。

 Rocio: 今日ではバタ・デ・コーラやマントンを使う人は減少し、カスタネットを使う人はもっと少なくなっている。そういったフラメンコになくてはならない要素が失われつつある。

 Juan: 私のキャリアは終わろうとしているが、有り難いことに3人の子供達が後を継いでくれており、アンダルシア独自の伝統が存続することを願っている。