Pitimini のページ


Pitiminiとはスペイン語でミニバラを意味します。ここはフラメンコを習っている方々に向けて、ひょっとして誰かの役に立つかもとしれないといった情報・豆知識的な事柄を並べておこうという、情報共有を主眼としたページです。内容が散漫になる恐れがありますが、適宜お読みくださいませ。

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6)セビリアの春祭り(フェリア) 2017/3/8

5)カスタネット 紐の結び方  2017/1/6

4)カスタネット職人のお話  2016/9/2

3)アバニコ言葉  2016/8/30

2)マントンの保管方法  2016/5/1

1)マントンのアイロンがけ  2016/4/29



6)セビリアの春祭り(フェリア)

春が近くなるとセビリアの衣装屋さんは繁忙期に入ります。フェリアについて、感想等まとめておきます。

  *   *   *
日本の旅行代理店等ではセビリアの春祭りと言われることの多い4月のセビリア(セビージャ)の祭り。それ自体は宗教行事ではありませんが、毎年セマナ・サンタ(聖週間: 復活祭前の1週間)の約2週間後に開催されるため、日取りは宗教カレンダーに基づいて決まります。2015年は4/21-26の6日間。私は初日、二日目、最終日前の土曜日、の計3日通いました。
 スペイン国内ではフランコ政権後社会構造の変化に伴い、教会事情も人々の意識や価値観も変わってきたとはいえ、生活にはカトリックの影響が強いため、その祭日に国民の祝日も一致していることが多く、お祭りも毎年日にちが異なっています。
 春祭りとは元々は遡ること1847年より家畜見本市として開催され、時代とともに変貌し、お祭り部分の色彩が濃くなったそうです。馬のパレードがあったり、馬車で乗りつけたりするのは、歴史の名残り。周辺の街、他の地域でも同時期に独自にお祭りがあったりもしますが、「フェリア」というと概ね「セビリアの4月のお祭り」として意味が通じます。
 現在のフェリアの会場は、セビリア市内の旧市街(大聖堂があるあたり)から見るとグアダルキビル川を渡った側、ロス・レメディオス地区の広大な敷地。タクシー、自家用車、バス(臨時バスもあり)、地下鉄、馬車などの手段でアクセスします。会場のメインの入口にはポルターダと呼ばれる大門があり、そのデザインは毎年異なります。ポルターダの形のピンバッジも数種類売られていて、それをジャケットの襟につけている男性を沢山見かけました。会場までタクシーで行く場合には、目的地が「ポルターダ」までか、別の大きな入口「コントラ」か聞かれたりします。
 会場内には「カタ」と呼ばれる小屋が1,000以上並んでいます。個人、会社、各種団体所有のものなど、ソシオと呼ばれる構成員によってまかなわれているため、殆どが招待制となっていますが、観光客向けに公設の小屋や、とあるスタジオで聞いた話では、留学生達の交流用のカセタもあるそうです。
 今回はスペイン人の友人のお陰で、とあるレストラン経営者の方の所と会社所有のものなど、計3か所のカセタを訪れました(他にもお誘いいただいたのですが、体力の限界が…)。招待制のカセタの入口にはガードマンが立っています。 面積、規模は大中小様々ながら、いずれも内装に意匠を凝らし華やか。音響設備も整っています。カセタには番地がつけられているので、覚えておくと役に立つこともあるかもしれません。
 頑丈な鉄枠で支えられている内部の構造は、ざっくり言うと概ね3つの機能に分かれ、入ってすぐはテーブル席、次の間はカウンターなどがあって飲食の注文、及び立食の場、奥に洗面所/厨房といったところです。入口に扉や窓はありませんが、通りと隔てる境界に柵があります。 規模の大きいカセタにはステージがあって、時間帯によって生演奏が入ります。来訪者は混雑したカセタ内のちょっとしたスペースで、踊りたいときに踊ります。
生演奏、BGMがあってもなくても、カセタの中でも外でも、他のカセタへ移動中の路上でも(笑)、おもむろに歌いだす仲間がいれば、そこにすぐ輪ができて手拍子、大合唱、踊りの始まりです。飲んで食べて踊って、時折外の空気を吸ったり、また中に戻ってワイワイ飲んで食べて踊って、、が延々続きます。
 カセタ内ではどんな物が供されるのかというと、、、
  • 食べ物:手づかみで食べるものが基本です。一般的なものは、生ハム、チーズは勿論、魚やイカのフライ、トルティージャ、一口大のコロッケ(生ハムや魚入り)、鶏肉やタラが具材の小さめのサンドウィッチ(モンタジート)、チョリソー、モハマ(まぐろの塩干し)のスライス等です。ピコ/ピキートやパン、ポテトなどが添えられたり、なかったり。変わり種ではイソギンチャクのフリットも食べました。
  • 飲み物:ビール、マンサニージャ(サンルカルのシェリー酒)、レブヒート(マンサニージャの7up割り)や、カクテル類(レブジン、ティント・デ・ベラーノ)あたりが定番。大人の私が途中で水を飲もうとしたら、フェリアで水はダメ~と言われてしまいました(苦笑)。。一応ファンタ等もあるようです。通りに点在する売店では子供向けに綿菓子やスナック菓子、水なども売られています。フェリア価格です。
招待制のカセタと言っても、飲食には支払いが伴います。3日間ともその場にいる仲間で共同出資して、食べ物・飲み物をシェアしていました。その場で取りまとめしやすいように、小額紙幣の用意があると便利です。お財布はスカートのフリル部分に縫い付けられているファスナー付のポケットに入れて持ち歩くのが一般的。フェリアのドレスには必ずこのファスナー付ポケットがついています。他に必要なものを小さめのポシェットなどにいれて携行。ティッシュペーパー、汗ふきシートはマストアイテムです。給仕係(カマレロ)は休む間もなく働いており、すぐに対応できないことも多いので、 お手洗いのペーパー切れ対策の準備があると面倒がないと思われます。。。
 さて気になる衣装。踊り用とは違い、かなりタイトなため歩きにくいものがほとんど。髪飾りもピアスもかなり大ぶりなので、踊りの本番用に後で使い回せないものが主流です。街中の衣装屋さん、関連グッズ屋さんでは多くの人で賑わっています。とにかく商品の数が多いので目移りしがちですが、どういうコンセプトでコーディネートしたいか、色を予め明確にしておくと、買い物がスムーズになります。観光客用にレンタル衣装を提供しているところもあるようです。ピアスの試着は日本ではダメなお店が多いのですが、スペインでは断りをいれれば可能です。もちろんショーウインドウの中の気になる商品も出してもらえるし、希望の形、素材を伝えれば、棚から色々出して見せてくれます。ピアスの針は時々すごい太いものがあるので要注意です。靴は移動や踊ったり長時間の使用に耐えうる快適なもの、土埃にまみれても、万が一馬の落とし物を踏んでも後悔しないもの、がオススメです。スペインの靴はオシャレで履き心地よいものが多いのですが、念のため私は現地調達のヒールありのエスパドリーユに、シリコンゲルのハーフインソールを敷いて履いて快適でした。フェリア関連商品は、場所や物によって値段の差がかなりあったりするので、時間に余裕があれば色々見比べるのも楽しいかもしれません。
 余談ですが、衣装がタイトなので、お手洗いに行くのに介添人を必要とされる方をしばしば見かけました。それを見越してか個室内は割と広めで、衣装をかける為のフックも付いてたりします。個室待ちの列に並んでいると、後ろの女性が背中の紐を解いてくれないか、と頼んできたり、年に一度のオシャレには多少苦労が伴います(苦笑)。
 2015年は天候に恵まれたようで、暑すぎず雨も少なく快適に過ごせた一週間。日が出ている時間帯の平均気温は大体20℃台半ば、日が暮れると5-10℃下がるといった具合。深夜、明け方タクシーの列についているときは寒く感じましたが、衣装のまま家から出かけて困ることはありません。帰りのタクシーは流しのタクシーを拾おうと思ってもほぼ無理です。ポルターダ付近にタクシー乗り場が有るのでそこで列につき、気長に待つ覚悟が必要です。タクシーが個別に来てくれるチケットなどを人から頂けたりした場合は超ラッキー。
 家族、親戚、同級生達が集まる場、連日大勢で会食する時間が多いというのは、日本の行事を無理矢理当てはめようとすると、お盆に人が集まっている時の感覚に近い物を感じました。異なる点と言えば、殆どの人は衣装を着ても着なくても、老いも若きもオシャレして出かけます。日本では桜が見頃のお花見の時期ですが、フェリアではふらふらになるほど酔っ払った人は見かけませんでした。
 フェリア初体験。 想像を遙かに超える規模と熱気でした。 さほど予備知識を持たず臨んだにもかかわらず、かなり満喫させて頂いたのは友人知人、その家族親戚、お友達になった方々皆さんのお陰です。とにかく皆さん話し好き。集まって絆を確かめ合って、また次の活力を得ているようです。 色んなグループの様子を見ていると、義理立てして参加している人も中にはいますが…。6日あるフェリア期間中どれだけ行くのかは人それぞれ。 そして全ての人が深夜、明け方までとどまるかというとそういう訳ではありません。
 一度出かけたら長丁場になって、いったいいつ帰れるんだろう...という不安も時にはよぎったり、何故ならどんどん友人の友人知人が集まりそして全員個別に挨拶…飲む、踊る、ふりだしに戻る(笑)の連続です、体力も底なしの時だったらよかったなぁと思う瞬間もありましたが、自然体で楽しめばいいのかなと感じました。 それにしても、お祭りにかける人々のパワー、スペイン人でも疲れると感じているのに、引きつけてしまう理屈なしのこの魔力!?、興味深いです。
2015年4月記す

5)カスタネットの紐の結び方

紐を付け替える回数は少ないためか、久しぶりに取り替えようとすると結び方を忘れてしまうことも。

ご質問いただく事も多いので、動画を作ってみました。

 

(追記)紐の長さは1つあたり40cm位あれば足ります。柔らか過ぎる素材より少し張りのある紐が使い勝手が良いと思います。


4)カスタネット職人のお話(英BBC放送)

2016.9.2

 

<要約>

先代から工房を引き継ぎ、52年のキャリアを誇るカスタネット職人(取材当時)、Juan Vela: ファン・ベラさんのお話。

 カスタネットを作るだけにとどまらず、カスタネット愛ゆえ、自身のコレクションでも150組を持ち、仕事が終わった後には教えることも。プロのカスタネットは手作りのものであるべきだと語る。ひとつひとつ個性があるため、ダンサーの求めに応じて納得がいくように調整され仕上げられる。

 プロのダンサー、ロシオ・アルカイデ(クリスティーナ・オヨス舞踊団所属)氏も顧客のひとり。特にシギリージャを踊る時は粗い感じの音がお好み。踊る時に手の動きを使って伝えるところを、何を感じているのかにより、力強かったりより滑らかだったりカスタネットの音色を奏で分けて表現している。

 制作時間は1組およそ2時間、様々な素材が用いられる。紹介されている茶のザクロの木材はとても調和がとれ、美しく良い音質。茶か黒色が一般的とされてきたが、時代の流れによって変化するフラメンコに合わせている。カスタネットを用いるダンサーは90%位女性であるが、52年仕事をしてきて過去に比べて使用する人は減ってきている。

 R: 今日ではバタ・デ・コーラやマントンを使う人は減少し、カスタネットを使う人はもっと少なくなっている。そういったフラメンコになくてはならない要素が失われつつある。

 J: 私のキャリアは終わろうとしているが、有り難いことに3人の子供達が後を継いでくれており、アンダルシア独自の伝統が存続することを願っている。


3)Lenguage del abanico 扇言葉 18

2016.8.30

女性の装身具の一つ、アバニコ(扇)は18世紀の男女間の恋の戯れに重要な役割を果たしました。扇を使った合図と仕草は一風変わったコミュニケーションの手段となり、女性側の気持ちを伝えたものでした。

 記憶の片隅にとどめて舞台を見ると少し面白いかもしれませんね。

 

1. 素早い扇さばきは熱烈な愛の表現です。

2. ゆっくり穏やかな扇さばきは、女性が既婚者で貴方に関心のないことを示します。

3. ゆっくり扇を閉じるのは「Sí」(Yes)。

4. 扇を素早く憤慨したように閉じるのは「No。私は婚約者のある身、お気をつけあそばせ。」

5. 扇をわざと落とすのは、女性の心が彼のものであることを意味します。

6. 頭髪を扇ぎ上げたり扇で前髪を揺らすのは、彼のことが一時も心から離れないことを示します。

7. 扇の縁を数えたり、縁に指を這わせるのは、彼と話したいとき。

8. 扇で日差しを遮るのは、彼を気に入らないしるし。

9. 右の頬に扇をもたせるのは「イエス」。左の頬なら「ノー」。

10. 連れの人に扇を渡すのを見たら、悪い知らせ。母親に扇を手渡せば、「もうおしまいにしましょう、さようなら」の意味です。

11. 扇で何か物を打つ時は、じれったさを示しています。

12. 開いた扉を両手で持つ仕草は、「私のことをお忘れになって」。

13. 開いた扇で目を覆うのは、彼に愛を告げる仕草です。顔中を扇で覆う時は、「ご用心を。私たちは見張られています」。

14. 目の前に扇を動かす仕草は、「ごめんなさい」。目に触れながら扇を閉じるのは、「いつお会いできるかしら?」

15. 扇を開いて見せる時は、誘いがそれだけに留まらないしるし。「待っててちょうだい」。

16. 開いた扇で顔を覆う仕草は「私が行くとき追ってきて」の意味。

17. 半分開いた扇を唇にもたせるのは、「キスして」。

18. 扇を別の手に持ち替えるのは、彼が別の女性に注目していたのを知っている事を示します。

 

1. Abanicarse rápidamente expresa amor con intensidad.

2. Abanicarse lentamente o de forma pausada, significa ser una señora casada y mostrarse indiferente.

3. Cerrarlo lentamente es un "Sí".

4. Cerrarlo de forma rápida y airada quiere decir: "No". Cuidado, estoy comprometida".

5. Dejar caer el abanico significa que le perteneces.

6. Levantarse los cabellos o moverse el flequillo con el abanico significa que piensas en el, que no le olvidas.

7. Si cuentas la varillas del abanico o pasas los dedos por ellas significa que quieres hablar con él.

8. Protegerse del sol con él simboliza que no le gustas.

9. Si apoyas el abanico sobre la mejilla derecha significa "Sí". Sobre la mejilla izquierda es "No".

10. Si prestas el abanico a tu acampañante, malos presagios. Si se lo das a tu madre, quieres decir "Te despido, se acabó".

11. Dar un golpe con el abanico sobre un objeto demuestra impaciencia.

12. Sujetar el abanico abierto con las dos manos, significa: "es mejor que me olvides".

13. Si se cubre los ojos con el abanico abierto, te está diciendo que te quiere.  Si se cubre el rostro puede significar "Cuidado, nos vigilan".

14. Pasar el abanico por las ojos significa: "Lo siento".  Si cierras el abanico tocándote los ojos, "¿Cuándo te puedo ver?

15. Si abres el abanico y lo exhibes, estás invitando a algo más : "Puedes esperarme".

16. Cuidarse la cara con el abanico abierto, significa: "Sigueme cuando me vaya".

17. Apoyar el abanico a medio abrir sobre los labios quiere decir: "Puedes besarme".

18. Pasar el abanico de una mano a otra, implica que sabes que está mirando a otra.

(参考)アンダルシア自治州資料より


2)マントンの保管方法

2016.5.1

アイロンがけに続き、マントンが痛まないよう保管の仕方を見ておきましょう。

 

☆ 老舗マントン専門店が推奨する保管方法 映像提供:Bordados Foronda Sevilla


<訳>

どのようにしてマントンを保管しておくのか。

 マントンを広げ、フレコを布の刺繍部分に入れてたたみます。それからマントンの端の片方を半分までハンガーに通します。プラスチック製の袋ではなく布袋のカバーをしてハンガーに掛けます。

 保管方法は4つに折ってフレコを布の中に入れます。そして柔らかい保護用の袋に入れます。プラスチックの袋は絶対にいけません。

 

 

(川崎訳)


foto por Yuki Omori


1)マントンのアイロンがけ

2016.4.29

大切なマントンをより良い状態で使う為にも参考になる動画のご紹介です。本番直前には時間のやりくりも難しくなってきますが、アイロンがけは頑張って済ませておくと何かと助かります。シルクの布が艶を増してより照明映えするうえ、フレコ(フリンジ)をしっかり整えておけば、舞台装置や衣装装飾小物に軽く接触しても引っかかりにくくなります。踊る時に限らず、結婚式に招かれた際に着用するには是非しておきたい作業です。吊してスチームする方法や入浴後のお風呂場に吊すのも役立ちますが、スペイン、セビージャの老舗店の方法も取り入れてみては如何でしょうか。

(注意)アイロンがけ直後マントンが温かいうちにトランクに詰めるのは避けましょう

 

☆ 老舗マントン専門店が推奨するアイロンがけの方法

映像提供:Bordados Foronda Sevilla 

<訳>

マントンのアイロンがけ方法

 最初にフレコからとされています。アイロン台の上に置き、よれたフレコがすべすべになるまで何度もかけます。同様に梳くようにしても滑らかに整えられます。このやり方は必要なだけ何度もして縮れをとることができます。アイロンは最高温度にし、マントンは布ではなく常に(フレコの)編み目の部分を持って引くようにします。布部分は絶対にダメです。もし引っ張る場合は必ず常に編み目、結び目の部分を引っ張ること、布は厳禁です。レース編み部分は二重にしても一重でもやりやすいように、繰り返しますが、絶対布を持ってはいけません、常に編み目です。

 布部分にどうやってアイロンをかけるのか。必ず裏側からで表面からは絶対にいけません。マントンの装飾の為に布の外側に向かってかけます。アイロンは最高温度で軽く優しくすること。布が光沢を帯び刺繍の浮き出た状態が保てるよう、常に布の裏側からかけましょう。

(川崎訳)